認知症学会での教育講演、アルツハイマー病の診断の変遷と海馬萎縮の意義

先週の11月21日に、第44回日本認知症学会学術集会(大会長:新潟大学脳研究所 池内健教授)にて教育講演をさせていただきました。

ISMRMでの発表内容を改訂した形で、「画像バイオマーカーで読み解く認知症の病態と診療」というタイトルで発表させていただきました。

アルツハイマー病の診断基準の変遷を画像バイオマーカーの観点から、そしてアルツハイマー病における海馬萎縮の病態を画像研究から考察して発表させていただきました。臨床関連の演題を自身で発表させていただくのは10年以上ぶりかもしれません。普段のイメージング・認知症病態研究を振り返る意味で、自分自身にとって大変勉強になりました。

座長を務めていただいた金澤雅人先生、貴重な機会をいただいた大会長 池内健先生、そしてたくさんの演題の中からこの演題を選んでお越しいただいた先生方、大変ありがとうございました。

 

会場の朱鷺メッセ

 

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歩くことが認知症の予防に!

Physical activity as a modifiable risk factor in preclinical Alzheimer’s disease
というタイトルの論文がnature medicineに報告されました。備忘録として要点を記録します。
  • 高い身体活動量(特に歩数の増加)は、アミロイドβ(Aβ)陽性高齢者におけるタウ蓄積を抑制し、認知および機能低下を遅らせる。

  • Aβ量そのものには影響しないが、タウ進展という「次の段階」にブレーキをかける可能性を示唆。

  • 特に座位中心の生活をしている高齢者で、歩数を5,000〜7,500 歩/日まで増やすだけでも大きな効果が期待できる。

  • 今後は、身体活動介入試験(ランダム化比較試験)で因果関係の検証が必要。

ということで、これまでは認知症予防に1日10000歩がよいのかと認識していましたが、認知症予防の観点では5000歩でも効果がありそうです。

認知症予防効果についてはいろいろ検証は必要と思いますが、歩くことが認知機能に悪いことはないと思いますので、積極的に歩きましょう。