2026年5月、南アフリカ・ケープタウンで開催されたInternational Society for Magnetic Resonance in Medicine(ISMRM)Annual Meetingに参加しました。本学会では、超偏極MRI、MRSI、PETを含む脳エネルギー代謝イメージングの今後について、多くの重要な議論が行われました。
今年特に印象的であったのは、超偏極MRI分野における「pyruvate依存」についての議論です。Hyperpolarization Study Groupのパネルディスカッション “Has the field become too dependent on pyruvate?” では、Dr. Martin GrasheiとDr. Andrea Capozziの司会のもと、Dr. Kayvan Keshari、Dr. Renuka Sriramとともにパネリストとして登壇する機会をいただきました。本セッションでは、超偏極[1-13C]pyruvateが現在の分野を牽引してきた意義を確認するとともに、今後の新規プローブ開発、疾患応用、そして臨床実装に向けた課題について活発な議論が行われました。
本研究に先立ち、我々はin vivo MRSを用いてPSP患者におけるアストロサイト反応性の上昇と乳酸増加を報告しました(Hirata et al., Annals of Neurology, 2024)。本研究では、その知見をさらに発展させ、プロテオミクスおよび病理学的解析を統合することで、アストロサイト–神経代謝連関の破綻という機構的理解に到達しました。これらの結果は、アストロサイトの変化がタウ病理に先行しうること、ならびに脳エネルギー代謝異常の初期段階からアストロサイトが病態に関与する可能性を示唆しています。