Altered astrocyte–neuron crosstalk in progressive supranuclear palsy: Integrated evidence from proteomics and magnetic resonance spectroscopy
上記の論文が、病理学分野のトップジャーナルであるActa Neuropathologicaに受理されました。小野主任研究員が筆頭著者を務めた研究成果です。
本研究では、進行性核上性麻痺(PSP)において、アストロサイトの機能異常が脳エネルギー代謝の破綻および病態形成に深く関与していることを明らかにしました。
プロテオミクス解析、病理学的検討、さらにin vivo磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)を統合することで、アストロサイトと神経細胞の代謝的連関の異常が、脳の脆弱性と密接に関係していることを示しています。
本研究は、広島大学(内田康雄先生)によるプロテオミクス解析、新潟大学脳研究所(清水宏先生・柿田明美先生)からの病理試料提供を含む共同研究として実施され、2022年より進めてきたAMED認知症研究開発事業の成果です。
本研究に先立ち、我々はin vivo MRSを用いてPSP患者におけるアストロサイト反応性の上昇と乳酸増加を報告しました(Hirata et al., Annals of Neurology, 2024)。本研究では、その知見をさらに発展させ、プロテオミクスおよび病理学的解析を統合することで、アストロサイト–神経代謝連関の破綻という機構的理解に到達しました。これらの結果は、アストロサイトの変化がタウ病理に先行しうること、ならびに脳エネルギー代謝異常の初期段階からアストロサイトが病態に関与する可能性を示唆しています。
本研究は、「脳エネルギー代謝ネットワーク」の理解を通じて神経変性疾患の本質に迫る当研究グループの取り組みの一環です。今後も、脳エネルギー代謝と脳機能の関連の解明を目指し、研究を推進してまいります。
[AcceptedManuscript ]
最終版(出版社版)は以下をご参照ください: https://doi.org/10.1007/s00401-026-03020-7

