紫外線照射を用いた新しい超偏極MRI法で覚醒マウス脳のエネルギー代謝を計測

小野主任研究員らは、EPFLおよびPolarize社のAndrea Capozzi博士、Mor Mishkovsky博士らとの国際共同研究により、紫外線照射によって一時的に生成されるラジカルを利用した新しい超偏極13C MRI法を開発しました。スイス―日本国際共同研究プログラムの成果の一つです。

超偏極13C MRIは、生体内の代謝反応をリアルタイムに捉えることができる手法です。本研究では、ピルビン酸を重水素化することで超偏極性能を大きく向上させ、従来のトリチルラジカルを用いた方法に匹敵する性能を実現しました。

さらに、この方法を用いて覚醒マウス脳の13C MRSIを実施し、アルツハイマー病モデルマウスにおける脳代謝変化を捉えることに成功しました。この手法は、スイス留学時代の紫外線超偏極手法の成果を発展させたものであり、脳病態研究への応用を示した初めての報告となります。スイス留学時代の元同僚であり、現在も親しい友人でもあるAndrea Capozzi博士、Mor Mishkovsky博士らと、本研究を一つの成果としてまとめることができ、私自身にとっても思い入れの強い仕事となりました。

本成果は、覚醒状態の脳エネルギー代謝を評価する新しい技術基盤として、神経変性疾患をはじめとする脳疾患研究への応用が期待されます。

論文情報

Deuteration enhances UV-induced hyperpolarization of [1-13C]pyruvate to trityl-level performance in vitro and in vivo.

Ono M, Capozzi A, Hirata K, Yamauchi C, Saito K, Mishkovsky M, Takado Y.J Cereb Blood Flow Metab. 2026 Aug 19:271678X261482014. doi: 10.1177/0271678X261482014.

	
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MR in Psychiatry Workshop(ローザンヌ)にて口頭発表を行いました

2026年8月24日から26日にかけて、スイス・ローザンヌのStarling Hotel Lausanneにて、ISMRMのStudy GroupであるMR in Psychiatry主催のWorkshopが開催されました。

本WorkshopのChairを務めたDr. Lijing Xinは、私のEPFL留学時代の同僚です。今回はOrganizerの一人に加えていただき、準備・運営を含む一連の活動に携わりました。

Dr. Lijing XinによるOpening Remarks

3日間にわたり、精神疾患を対象とした最先端のMR研究を学ぶとともに、第一線で活躍する研究者の方々との濃密な議論や交流の機会を得ることができました。米国や中国をはじめとする各国から、大規模研究コンソーシアムの取り組みについて講演があり、日本からは筑波大学の根本清貴先生に、精神疾患研究コンソーシアムCOCOROについてご講演いただきました。国際的な研究連携の現状に触れ、これまでの研究を別の角度から捉え直すきっかけにもなる、大変刺激的なWorkshopとなりました。

滞在中には、スイス留学時代の同僚とランチをともにしたり、当時の友人宅に招いていただいたりと、旧交を温めることもできました。ローザンヌは私にとって、研究者として過ごした思い出深い土地です。その地で再び研究発表を行う機会をいただけたことを、大変光栄に思います。今回も、MRSスペクトルと山々を重ねた恒例のスライドを紹介しました。

海外においても、競争的研究資金の獲得はますます厳しくなっているとの話が聞かれました。今回生まれた交流や共同研究を大切にし、国際的な連携を通じて、今後もよい研究成果につなげていきたいと思います。

Lavaux地区の風景。Workshopの空き時間に同僚が案内してくれました

 

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